自動車基準調和世界フォーラム(WP29)とは何か

さて、前回記事で取り上げましたが、

まずはMONOistのこちらの記事を読み砕いてみることにします。

さて、たくさんの見知らぬ用語が出てきますが、まずは 自動車基準調和世界フォーラム(WP29) というこれだけでてんてこ舞いしてしまいそうな名称が付いたフォーラムについて見ていきます。

WP29(World Forum for Harmonization of Vehicle Regulations)は、国連、、、はさすがによいとして、国連の中にある 欧州経済委員会(The United Nations Economic Commision for Europe 略して UNECE) の下に位置付けられています。また、難しい委員会が出てきましたね。。。この委員会の目的は、その名の通り

UNECE's major aim is to promote pan-European economic integration.*1

とあり、ヨーロッパ地域の経済統合を促進すること、と解せます。あれ、ここに日本も参加してるのかな??と思ってしまいますが、国連加盟国はUNECEの作業に参加することが許されているようです。絵にするとこんな感じらしいです。

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https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001350040.pdf

まだ記事の最初の数行しか進んでいませんが、くじけずがんばります。この記事で最初に取り上げられているのが、WP29が2020年6月24日に開催され、自動車のサイバーセキュリティとソフトウェアアップデートに関する国際基準(UN規則)が成立した*2、ということです。国交省HPに詳細がありましたので、参照すると、

  1. 自動運行装置の国際基準の主な要件*3
  2. サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデートの国際基準の主な要件*4

の大きく2点が決まったようです。最初の要件は、いわゆる高速道路での自動運転機能として必要な要件がまとめられています。リンク先のイメージ図がわかりやすいのでご参照下さい。(既にEyeSightを利用しているわたしのような者には今さら感がありますが。)

さて、問題は2つ目の要件であるわけですが、リンク先に記載されている主な要件というのが、

  • サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデートの適切さを担保するための業務管理システムを確保すること
  • サイバーセキュリティに関して、車両のリスクアセスメント(リスクの特定・分析・評価)及びリスクへの適切な対処・管理を行うとともに、セキュリティ対策の有効性を検証するための適切かつ十分な試験を実施すること
  • 危険・無効なソフトウェアアップデートの防止や、ソフトウェアアップデート可能であることの事前確認等、ソフトウェアアップデートの適切な実施を確保すること

とあります。 これらについては追々見ていくこととします。コンセプチャルには理解できますが、具体論として何をどうしたら良いのか、考えていきたいと思います。

MONOistの記事によると、UN規則の2要件については2021年1月から施行されるとありますが、それについてはUNECEのHPでも読み取れませんでした。いずれにせよ、日本国内においては、2020年4月1日より国際基準の成立に先行して、同等内容の基準を施行しているとのことで、既に各自動車メーカー、サプライヤーは対応しているのでしょう。。。きっと。

次回は、2要件目の細目、サイバーセキュリティやソフトウェアアップデートについて、詳細を見ていきたいと思います。

*1:http://www.unece.org/info/ece-homepage.html

*2:記事には成立とありますが、UN規則は1958年協定における自動車の構造及び装置に関する規則を指す呼称であるため、本来は内容がUPDATEされたと理解すべきと考えます

*3:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001350037.pdf

*4:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001350038.pdf