自動運転のレベル上げは果てしなく遠い -レジェンド、レベル3認可-

現実世界では、レベルを1つ上げるのは容易じゃない、というお話し。

前回の記事で今後の指針のようなものを明らかにしつつ、少し寄り道もしたいと思い、レジェンドの自動運転レベル3の型式認可に触れました。

今回はこの記事を深堀りしていきたいと思います。

これまではWP29やら、CSMSやら、1958年協定やら、国際基準をどこがどうやって、どんな内容に決めようとしているのかを見てきましたが、本件はあくまで日本国内の型式認可となる、と思われます(たぶん。論理的に考えて、という意味です。)

そしてここでまた新しい名称が出てくるわけですが、今回のレジェンドを審査したのが、自動車技術総合機構という独立行政法人となります。(実際はその法人に属する交通安全環境研究所が実施したようです。このへんは一旦はしょります。)

2021年3月までの年度内に発売予定のこのレジェンド、レベル3として認可されたようですが、ではまずはそのレベル3とは何か、見ていきましょう。

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出典:国土交通省

国交省の資料には、特定条件下においてシステムが運転を実施し、当該条件を外れる等、作動継続が困難な場合は、システムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応することが必要、とあります。

特定条件下とは、場所(高速道路のみ等)、天候(晴れのみ等)、速度など自動運転が可能な条件であり、この条件はシステムの性能によって異なる、と記載されています。

図にもありますが、レベル2との大きな違いは、ドライバーによる監視から、システムによる監視に変わるところでしょうか。

わたしがEyeSight利用者であることは前述の通りですが、高速道路ではその機能をフル活用しています。少し世代が古いので、渋滞時のストップアンドゴーを勝手にやってくれるまでにはいきませんが、60km以上の速度で走行し続けられる、車線がしっかり引かれている、自動車専用道路であれば大活躍してくれます。設定速度を維持しつつ前方車との車間距離に応じて加減速を自動で行い、急カーブもほとんどない高速道路であればレーンキープも自然にこなしてくれます。アクセルを踏み続ける必要が無いので、足の疲労感が相当軽減されます。ただし、レーンキープしてくれるからと言って、一定時間ハンドルに触れずにいると警告してきます。これが、図で言うドライバーによる監視という意味なのだと思います。あくまで責任はドライバーですよ、と。

レベル3になると、システムが主となり監視するわけですから、同一車線を前方車両と車間距離を取って走行している限り、ハンドルに触れる必要はなくなるのでしょう。どこまで許容範囲となるのかはまた別の機会に調べてみますが、前方を見続ける必要もなく、スマホを見たりしてても大丈夫なんでしょうね。

尚、明確にレベル3以上とは記載がありませんが、自動運転車はステッカーを車体後部に貼る必要があるとのことです。

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出典:国土交通省

来年、レジェンドを見かけたら、このステッカーが貼ってあるかどうかに気を取られ過ぎないよう、一層の安全運転を心がけましょう。

次回からはまた小難しい話に戻りたいと思います。。。